さらとは2歳頃まで特に問題を感じず暮らしてきました。人とも犬とも仲良く出来ていると思っていたのですが、わたしが病気になってしまい緊急入院。結局入院生活は3ヶ月になってしまい、訓練所に預けられたり、長い時間留守番をさせる事が続きました。
やっと家に帰って散歩に連れて出られるようになり初めのうちは以前のようにどんな犬とも大丈夫のように思っていました。
ところが散歩仲間とドッグランに行った時に咬まれたのをきっかけにやたらと吠えるようになってしまったのです。わたしが信頼されていなかったこと。これが一番の原因。そして、マルチーズ(メス)・柴(オス)の老犬と一緒に暮らしていたのですが、マルチーズ(ボス)が弱ってきてからはどんどんひどくなってしまいました。
浅はかなことにこの頃はまだ、《ありのままのさらをまず受け止める》ということに思いが至らず、とにかく何とか改善したいという気持ちでいっぱいだったのです。そこでTVで有名になった某氏のトレーニングを受けることになりました。チョークチェーンで「ギャン!」というほど締め上げる。電撃ショックの首輪。それなのに「さらは思ったよりデリケートな性格だから充分リラックスさせてからトレーニングしなくてはいけない。」と言われ…。
体調不良の続くわたしを助けようと頑張った夫は某氏に「みんな出来ているのに何故出来ない!!」と怒られたあげく、さらの撫ですぎで腱鞘炎になってしまいました。そして肝心のさらはといえば、玄関を一歩出たら(庭から)臨戦態勢で人間の言葉は届かない状態になってしまっていたのです。
自分なりに何とかしなくてはと悶々とし、本を読んだりネットで検索したりする毎日。散歩ですれ違う犬にガウガウ!庭では門扉の下から様子をうかがってガウガウ!車で移動中も外を通る犬を見つけてはガウガウ!
「散歩中誰にも会いませんように」と思いながら出かけているのですからお互いに楽しい訳がありません。感情的にならないように、「大丈夫!」と自分にもさらにも言い聞かせるのですが、必要以上に近付かなければ吠えはしないものの、行き過ぎてからわたしを回り込んで確かめずにはいられない。
門扉の所で座らせ落ち着いてから出かけようと思って座らせていますが、視線はわたしを通り越して先の様子をうかがっている。信用されてなかったのですね。それで「大丈夫!」と言われても…わたしだって落ち着けません。
MASUMIさんのサイトを見つけたのは本当にラッキーなことでした。
①散歩の時には気持ちを散歩モードにしてから出かけること。 ②家の中では良く言う事を聞くのは、さらにとってどうでもいいことであること。 それから ③わたし達に合った道具を送っていただきました。
この三点だけで散歩がぐっと楽になり、その分わたしに余裕が生まれたおかげでだんだんと散歩が苦痛でなくなってきました。
MASUMIさんのブログを過去から現在まで全部読みました。本当に読んでいるだけでドキドキするような出来事が起きる中、犬の心を確実に捉えて安心を与えられる人。大きな犬のパックをまとめられる人。ブログの中にはヒントがいっぱい溢れていました。
そしてセッションの中で《さらは殺すような犬ではない》《理由もなく喧嘩して相手を傷つける犬ではありません。》と言い続けてもらえたことがわたしの心の大きな支えになりました。
コマンドの出し方、クールダウンのさせ方。そして他のトレーナーさんが教えてくれなかった自分の犬の守り方…だんだん自信が持てるようになり、近寄ってくる他犬とあいさつをするのを手伝えるようになったら、外では口をしっかり結んで気になるものは自分でチェックしていたさらが、口元が緩みリラックスした表情でいることが多くなってきました。
気が付けば車の中の吠えは無くなり、庭では警戒の吠えはありますがわたしの制止の声が聞こえるようになってきました。犬同士ではあまりしつこくされると「ガウッ」ということもありますが、許容範囲内だと思える程度になりました。
わたし達の在り方を責めることなく導いて下さったこと、
そして多くの気づきを得る事が出来たことに感謝します。
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